ETC向け新素材開発  岡山大学と共同研究
2006年7月11日

  高速道路のノンストップ料金収受システム(ETC)の誤作動を防止する電磁波吸収材向け新素材の開発を、岡山大学の高田教授(無機材料化学)と共同で行っています。
 電磁波
吸収素材は、電子機器などが出す電磁波を熱に変換して遮断する素材です。ETCは、車載機と料金所のゲートアンテナが無線通信し、通行料金を自動決済するシステムです。その際、通信電磁波が乱反射したり、カーナビゲーションなどから出る電磁波で誤作動するのを防ぐため、車載機とゲートに吸収部品が付けられています。
 開発したのは、粉末状の酸化鉄にニッケルやコバルトなどを混ぜて焼成した吸収材の素材で、樹脂を加えて粒状にし、成型メーカーにて成型します。酸化物のため、鉄合金の従来素材よりさびにく いのが特徴となっています。現在、吸収率が99%、厚さは2oで従来製品の約半分まで軽量化を実現しています。(ETCの通信で使う5.8GHzの高周波に対応)
 今後1o程度まで薄くするために、原料の最適な混合比率を探る研究を進めています。また、焼成炉などの設備を導入して量産体制を整え、来年中にも販売を始める予定です。
 電磁波吸収素材は、事業多角化の一環で2003年に参入し、携帯電話用など、用途に合わせて3シリーズを販売中です。ETCの通信技術は、ガソリンスタンドでの給油代金支払システムなどに応用できる見通しです。また、新素材は流通業界で注目される電磁荷札(ICタグ)にも応用でき、3年後には年間売上高15億円を目指しています。             岡大と共同開発した電磁波吸収材 (成型品)↑

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